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悦楽共犯者

1996年、ヤンシュバンクマイエル監督のチェコ、イギリス、スイスによって制作された映画。

映画の話の前にヤンシュバンクマイエルについて少し述べたい。この人はチェコ出身のアニメーション、映像作家であり、シュルレアリストである。ヤンシュバンクマイエルが製作を行っている頃はチェコは当時社会主義国でそれを風刺している印象やそれに対する反骨精神が現れている気がする。

 

それはさておき、この悦楽共犯者は最近やっとDVD化されたのでぜひとも見てみたいと思って買ってしまったものである。もう少しDVDも安くなってくれたら簡単に買えるのになあ……(少し横道にそれた)

大まかな内容は悦楽の名の通り、おのおのがそれぞれ自分の自慰のための機械や装置、人形を作るといった何とも奇妙な映画である。今までの作品に比べると人形の出る量は少ない感じに思われる。(僕はこれの他に『アリス』という作品を見たことがあるため、それと比較してという感じ)ただ、ヤンシュバンクマイエルが独自に描く気持ち悪さといったものが全面に押し出されているのは間違いない。

具体的にどのような人がいるのかというと。

  • ニュースキャスターが好きで、その人とSEXした気になる自慰機械を作る人
  • パンの中身をちねって丸くしたものを鼻や耳に詰め込んで快楽を得る人
  • 肌触りが独特なものをこね棒やフライパンのふたに付けて、それを体に当てて自慰をする人
  • 鯉が入っている桶に足を突っ込んで快楽を得る人
  • 自分が怪人になって、人形を襲うことによって快楽を得る人
  • 人形に対してむちを振るったり、ハードなプレイをすることで快楽を得る人

こんな人たちがお互いにお互いの悦楽のために手伝いをしたり、他の人の道具を勝手に盗んで悦楽行為に走るのである。この作品は終始違和感、奇妙さが感じる映画である。特に食べ物に対する気持ち悪さはとても秀でていると思う。あまり見ていて美味しいとは感じない食事もなかなかない。普通人は食事に対して楽しいと思える(少なくとも僕は)のだが、ヤンはあまり好きではなかったらしいその感じが伺えるほど、食事がまずそうに感じる。またそこがそそる映画でもある。

皆人には言えないような独特な性癖であったり、独特の価値観がある。普通それには触れずに隠して平穏に暮らしたいと思っている。ヤンの映画ではそういう人の猟奇的な部分をさらけ出して描かれているのが気持ちがいい。特に自分の中に人に言えない、自分では抱えきれない変態を持っている人にはお勧めしたい作品である。これを見て我がふりを直せというわけではない。むしろ変態でもいいんだと思う作品でもあるかなあと勝手に思ったり思わなかったり。ただこれを見たあとは独特の後味の悪さがあるので気をつけてほしい。それと好き好んでおっさんの裸を見たいと思わない人は見ない方がいいと思うw

しかしもう少し安く売ってほしいものだなあ……

それでは。