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髪結いの亭主

1990年、パトリス・ルコント監督によるフランス映画。

 

主人公のアントワーヌが12歳の頃に豊満で魅力的な女性の理髪師に恋心を抱き、大人になって髪結いの亭主になることが夢だった。そんなアントワーヌがおじさんになった時、理髪店を営む若く美しいマチルドに一目惚れし夫になる。彼女と愛と性を満たしながら幸せな日々が過ぎていく……

というのが大まかな話です。アントワーヌが惚れ込むのもおかしくないほど、マチルドを演じるアンナ・ガリエナがただ美しいだけでなく、妖しく体全体に愛に満ちている人だと思いました。初めて見てずっと魅入るような美人ってそんなにいないと思ってるですけど、アンナ・ガリエナをみた瞬間に本当に魅入ってしまったんですよ。この世界に入ってみたいと本当に思いましたね…

話を映画に戻して、この映画のほとんどはアントワーヌとマチルドの理髪店での愛の営みやお客さんとのやりとりである。二人の世界はそこだけで完結しており、それ以外には何もない(正確には何もいらないかもしれない)ような、とても淡々と何もなく幸せに終わるような気配を感じたのです。ただマチルドはただ愛を猛烈に渇望する方で、アントワーヌと結婚する時も「愛がなくなって、優しさで付き合わないようにしてね」と言ったのです。マチルドの最期は二人の愛のピークだったのかもしれません。彼女は彼と営んだ後、河に飛び込んで死にました。遺書にはこう書いてあります。

『あなた、あなたが死んだり飽きる前に死ぬわ。優しさだけが残っても、それでは満足できない。不幸より死を選ぶの。抱擁の温もりやあなたの香りや眼差し、キスと胸に死にます。あなたがくれた幸せな日々とともに。息が止まるほど長いキスを送るわ。愛していたの、あなただけを。永遠に忘れないで』

人生に変化があるように、二人の愛に変化、特に衰える変化、がある。その変化を嫌うがあまり死を選ぶ。それによって永遠の愛を得られると考えているのでしょう。とても強い愛です。他にも方法があるんじゃないかと思うかもしれませんが、それはその人にしかわからないんです。愛のかたちは一つではありませんし、各々他人に理解されないような愛し方、愛され方があるのだと思いました。

 

これを見るきっかけになったのは、私が尊敬するイエローモンキーの吉井和哉さんが好きだからという理由でみてみました。彼はこれをみて何を思ったのでしょうか。彼の愛が気になりますね。

 

ちなみに「髪結いの亭主」には「ヒモ」という意味があるそうで。

 

それでは。